不妊・不育の原因

不妊症とは赤ちゃんをほしいと考えているカップルが,ある一定期間,避妊することなく通常の夫婦生活を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠できないことをいいます。一般的には排卵因子30%卵管因子30%男性因子30%その他10%と言われています。

不育症とは妊娠をするものの、流産や死産を繰り返して赤ちゃんを得られない状態のこと。不育症についてはまだ原因がはっきりとしていない疾患で、その8割以上については治療法がないといわれています。

一方、不育症女性の4割は強い心のストレスを抱えていたことも判明しており、何らかの方法でストレスの影響を軽減していくことも妊娠への重要なポイントになることが示されています。

- 国立研究開発法人 日本医療研究開発機構委託事業
 ホームページ フイク-ラボ より

当院の不妊症、不育症治療

当院における不妊症の治療

1. 鍼灸治療

成熟した卵胞から卵子が排卵されることによって黄体が形成されます。状態の良い黄体からは十分な量の黄体ホルモンが分泌され基礎体温が上がります。つまり、排卵の質を上げることができれば、黄体ホルモンも十分に分泌されます。鍼灸治療にて経絡バランスを整えストレスによる影響を軽減し、気の巡りを改善することで妊娠しやすい状態、妊娠を継続しやすい状態に導いていきます。

東洋医学では五経のうち腎経と肝経の変動が生殖機能に関連があると言われています。たとえば、腎経は生殖機能のほか水の出入りや身体を温める機能を併せ持っています。

生理痛、精子異常などの生殖器異常やむくみや睡眠後の夜間の排尿などの水の異常、立ちくらみ、腰痛などの症状があれば腎経の経絡に何らかの異常があることが予想できます。

このように腎経のバランスが落ちていると判断した場合(腎虚症)は腎経のツボである復溜穴を刺鍼することでこの腎経のバランスの改善を図ります。

こうして、腎経のバランスが整えば、いくつかあった腎経の不調はそれぞれ改善に向かい、結果として生殖機能も正常な方向に向かうと考えます。

2. 生活指導

・夫婦生活の活性化が最重要

セックスレスの改善夫婦生活の活性化は不妊症における一番重要なポイントです。当院の調査でも全体的に夫婦生活の回数が少ない傾向にあることがわかりました。また、体外受精や人工授精であってもセックスレスの場合は成功率が低いことが多いのです。

夫婦生活を活発にしたいが性欲がわかないという場合もあります。

東洋医学では性欲減退も経絡バランスの乱れと関連づけています。5行のうち肝経は生殖機能のうち精神的な部分に関連があるといわれています。黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌がよくないと膣からの分泌液が不足したり性欲が減退したりすることがわかっています。肝経の経穴を刺激するとこれらの症状が改善することから肝経は黄体ホルモン分泌に関連があるようです。


・休息に勝る治療法はない

十分な休息の有無も身体の生命力に影響を及ぼします。睡眠不足( 夜勤が多かったり、23:00 以降に寝ることが多い場合) を繰り返す生活をしているとホルモンバランスが崩れやすい傾向にあります。夜更かしをしていると基礎体温表も乱れやすいのです。


・立ち時間が多いと生殖機能に影響がある

東洋医学の五行の色体表(五労の項目)には「立つことは腎に影響を与える」ということが示されています。これは、「立ち時間が多いと生殖機能にかかわる腎が損なわれる」ことを示します。つまり、妊娠を考えた場合には立つ動作を控えたほうが良いのです。立ち仕事の多い 学校教師、音楽教師、美容師、看護師、薬剤師などの職業の方はそうでない方よりも腎を損傷しやすいのです。


五行色体表より

3. 栄養指導

栄養素の慢性的な不足は不妊症や不育症の原因の一つと考えられます。

・鉄

日本では一般的な鉄欠乏性貧血の指標はヘモグロビン値です。しかしながら、ヘモグロビンでは正確な貧血の指標にならないことがわかっています。 近年、貧血の指標として、フェリチン( 貯蔵鉄)不足が注目されるようになってきました。厚生労働省が行っている国民健康栄養調査の結果( 平成20 年)によると、20~49 歳の女性のうち約70% はフェリチン値が30 以下、85~90% が50 以下でした。まずは血中フェリチン値を50ng/ml 以上にすることがすすめられます。


・ビタミンC

ビタミンC は抗ストレスホルモンともいわれ副腎皮質に働きコルチコイドの生成に関与します。ビタミンC やビタミンEは活性酸素を除去する抗酸化物質です。両者摂取することで相乗効果が見込まれます。


・ビタミンE

ビタミンEはコレステロールから女性ホルモンを作り出すのに不可欠な栄養素です。女性ホルモンの分泌が不調だったり、生理痛が慢性化している場合はビタミンEの摂取をお勧めします。


・タンパク質

食事療法としては「糖質制限+高たんぱく食」が基本です。タンパク質が身体の構成成分であり、たんぱく摂取が十分でないと治療がうまくいかない場合も多いのです。適宜、プロテインなどでタンパク質を補充していく方法も提案していきます。

4. 薬物のチェック

薬物を使用することが必ずしもプラスになるとは限りません。薬物には副作用がたくさんあります。使用を中止することで症状の改善がみられることも多いのです。

例えば黄体ホルモン製剤を服用し基礎体温を上げても、子宮内膜が厚くならないこともあります。この患者さんの場合、黄体ホルモン製剤を中止し鍼灸治療に切り替えることで子宮内膜が厚くなりました。

医薬品の黄体ホルモン(プレマリン、デュファストンなど)はあくまでも人工化合物であるため人体から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)とは似て非なるもののため作用も微妙に異なるのです。当院では鍼灸治療により自らのホルモン分泌を促すように治療していきます。

また、排卵誘発剤の服用を何ヶ月も続けると、抗エストロゲン作用により排卵日頃のおりものが少なくなったり、月経の時の出血が少なくなったり、月経の期間が短くなったりすることがあり、妊娠しにくくなる場合もあるのです。女性ホルモン剤を長期間にわたり人為的に使用を続けると内分泌が乱れ自ら分泌能力が低下します。身体への負担を考えて薬を使わない休薬期間も設けることも大切です。

5. その他

・グルテンアレルギー

小麦や大麦に含まれるグルテンにより遅初型のアレルギー反応があることが報告されています。 このグルテンが妊娠にマイナスに影響する場合もあります。
当院では不妊症治療の際、筋肉反射テストによりアレルギー反応を検査しています。


・口腔管理

親知らずについて
かみ合わせが原因で不妊症になることがあります。親知らずがかみ合わせに影響するようであれば抜歯することをお勧めします。

歯科矯正について
歯科矯正が妊娠に関してマイナスに影響することがあります。

歯周病菌は不妊症の原因になることがあります。
歯科衛生士による定期的なプラークコントロールをおすすめします。


・金属装飾品

金属物を身に着けることは身体にダメージを与えます。
特にネックレスや歯科材料、カチュウシャなど人体の正中線をまたがる金属はダメージが大きくなります。以上から、金属物を身に着けることは必要最低限にすることをお勧めします。


・電磁波

電磁波は人体の自律神経へマイナスの影響を与えます。
最低限、寝室における電磁波環境を限りなくゼロにするようにすることをお勧めします。
(詳しくは病気の原因とは?をご覧ください。)

鍼灸治療のメリット

鍼灸治療で不調な経絡を調整していくと、自身の持つ自然治癒力が賦活していきます。その結果、自分の力でホルモン分泌ができるようになります。このように鍼灸治療の場合は自身の治癒力に働きかけることで症状が改善されるために、先に挙げたような副作用の心配はありません。


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